岸和田市市制施行100周年記念誌
みんなでつくるまち岸和田
豊かな自然があふれるまち53ページ
市民と多様な団体が取り組む神於山の保全


市民の思いにこたえて始まった神於山の里山保全活動 [神於山保全活用推進協議会]
春木川の源流を有し「神が於わす山」として信仰の対象となっていた神於山。人里に近く、昭和30年(1955)頃までは美しい里山が維持されてきましたが、その後、人が入らなくなった結果、竹林が拡大し、ごみの不法投棄などで荒廃が進みました。平成10年(1998)当時、市民の里山保全に対する気運が高まる中、岸和田市は「神於山保全プロジェクト」を推進。その第一歩として「里山ボランティア育成入門講座」を開催。修了生が中心となり、ごみの撤去や竹の伐採などの活動が始まりました。里山保全の動きは大きく広がり、平成15年(2003)に「神於山保全活用推進協議会」を設置。町会や行政、企業、NPO団体など現在40団体が参加し、「里山の再生」に向けたさまざまな取組みが行われています。
NPO法人神於山保全くらぶ
「里山ボランティア育成入門講座」修了生が中心となって結成。現在約100名が参加し、下草刈りや竹林管理をはじめ、生き物や植生の調査、かつて行われていた炭焼などの活動に従事。地元小学生の環境学習にも協力しています。
伐採した竹で作ったアスレチックや探検コースを用意するなど、子どもが楽しみながら里山の自然とふれあえる取組みも実施しています。
事務局長/
田口雅士さん
市民の手により進む都市緑化活動
身近なところから緑をつくるまちづくり
岸和田市は都市部にも公園や緑地が広がり、身近な緑が市民に憩いとやすらぎをもたらしています。平成30年(2018)には「みどりの基本計画」を改定。市民、事業者、行政が一体となった景観まちづくりを進めています。岸和田駅東地区景観まちづくり協議会では、地元小学生と植えた鉢花を地域住民や事業者とともに育てる「花いっぱい推進プロジェクト」が15年以上続き、「岸和田ファミリー・ロード・プログラム」では、参加団体によるボランティアでの清掃活動が、地域の継続的な美化・緑化に繋がっています。
花いっぱい推進プロジェクト
主に岸和田駅山側沿道を活動区域に岸和田市立東光小学校の子どもたちが協議会会員と一緒に植えたパンジーやビオラ、葉牡丹などの鉢花を地域の市民や事業者に配り、育ててもらうことで、まちに花々の彩りを加えています。
岸和田ファミリー・ロード・プログラム
地元自治会や事業者などが協力し、市が管理する道路の一定区間の継続的な美化・緑化活動を行う事業。現在58地区・52団体が参加。各団体が道路の清掃や植樹・育樹に取り組んでいます。
Pick Up!
ユニークな環境学習を実施
きしわだ自然資料館チリメンモンスター実習
ちりめんじゃこに混じる小さな生き物(チリメンモンスター)を探すプログラム。平成16年(2004)の開始以来、多くの子どもたちが生き物の多様性や食生活について学んでいます。
