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分離課税
次の所得は、分離課税所得といい、給与所得や営業所得等(総合課税所得)とは別で計算をします。
ただし、上場株式等の配当所得等については総合課税と分離課税を選択できるものがあります。
- 上場株式等の譲渡・配当等に係る所得
※令和6年度より、申告不要制度は廃止されました。
- 土地・建物等の譲渡所得
- 先物取引に係る雑所得等
- 退職所得
1.上場株式等の譲渡・配当等に係る所得
上場株式等の配当所得について
総合課税の場合
税率は10%で、配当控除を適用することができます。
申告分離課税の場合
税率は5%で、上場株式等の譲渡所得と損益通算することができます。
上場株式等の配当所得 | 課税方式 | |||
---|---|---|---|---|
総合課税 | 分離課税 | 申告不要制度 | ||
税率 | 所得税 | 累進課税 | 15.315% | 選択不可(注) |
市府民税 | 10% | 5% | ||
配当控除 | あり | なし | ||
配当割額控除額 | あり | |||
上場株式等に係る譲渡損失との損益通算 | できない | できる |
上場株式等の譲渡所得について(源泉徴収ありの特定口座内のもの)
申告分離課税での申告
税率は5%で、上場株式等の譲渡所得と損益通算することができます。
上場株式等の譲渡所得 | 課税方式 | ||
---|---|---|---|
分離課税 | 申告不要制度 | ||
税率 | 所得税 | 15.315% | 選択不可(注) |
市府民税 | 5% | ||
株式等譲渡所得割額控除額 | あり | ||
上場株式等に係る譲渡損失との損益通算 | できる |
(注)令和6年度より、所得税と住民税(市・府民税)の課税方式が統一されることとなりました。これまでは異なる課税方式を選択できましたが、令和5年分以降の上場株式等の配当所得及び譲渡所得について、所得税と住民税で異なる課税方式を選択することができません。したがって、上場株式等の配当所得及び譲渡所得について確定申告をすると、これらの所得は市・府民税でも課税されます。これにより、扶養控除や配偶者控除などの適用、非課税判定、国民健康保険料や後期高齢者医療保険料、介護保険料などの算定に影響が出たり、各種行政サービスなどに影響する場合がありますのでご注意ください。
2.土地・建物等の譲渡所得
土地・建物等の譲渡所得について
課税譲渡所得金額=譲渡価額-(取得費+譲渡費用)-特別控除額
区分 | 税率 |
---|---|
一般分 | 9% |
軽減分 | 5% |
一般:土地や建物を譲渡した場合
軽減:土地などを国や地方公共団体に譲渡した場合
区分 | 税率 |
---|---|
一般分 | 5% |
特定分 | <2,000万円以下> 4% <2,000万円超> 5% |
軽課分 | <6,000万円以下> 4% <6,000万円超> 5% |
特定:土地などを優良住宅地の造成等のために譲渡した場合
軽課:自分の居住用の建物やその敷地などを譲渡した場合
特別控除が受けられる譲渡 | 特別控除額 |
---|---|
(1) 土地収用法等によって土地等が買い取られた場合 | 5,000万円 |
(2)自分が居住している家土地や家屋等の譲渡をした場合 (マイホームの売却) |
3,000万円 |
(3)被相続人が居住していた家屋やその敷地を譲渡した場合 | 3,000万円 |
(4)特定土地区画整理事業等のために譲渡した場合 | 2,000万円 |
(5)特定住宅地造成事業等のために譲渡した場合 |
1,500万円 |
(6)農地保有の合理化等のために農地等を譲渡した場合 | 800万円 |
(7)低未利用土地等を譲渡した場合 | 100万円 |
上記(1)から(6)までは、短期・長期どちらの譲渡所得からも、上記(7)は、長期の譲渡所得のみから控除することができます。
※上記(7)は、令和2年7月1日から令和7年12月31日までの間に譲渡した場合に適用されます。
3.先物取引に係る雑所得等
先物取引に係る雑所得等について
課税所得金額 = 収入金額-取得費等の経費
税率 | 所得税 | 15.315% |
---|---|---|
市府民税 | 5% | |
先物取引に係る所得金額との損益の通算 | できる | |
先物取引に係る損失額の繰り越し | できる |
4.退職所得
退職金や一時恩給の支払いを受けるときに特別徴収され、一般的には申告の対象外となります。次表の控除額を差し引いた残額の2分の1に相当する金額が、退職所得の金額になります。
勤続年数 | 退職所得控除額(勤続年数に1年未満の端数がある場合は切り上げ) |
---|---|
ア:20年以下の場合 | 40万円×勤続年数(80万円に満たないときは、80万円) |
イ:20年を超える場合 | 70万円×(勤続年数-20年)+800万円 |
ウ:障害退職の場合 | アまたはイによる計算+100万円 |
退職所得金額=(収入金額-退職所得控除額)×2分の1(1,000円未満切捨て)
※特定役員等の場合
- 特定役員等(勤続年数5年以下の役員等)については、退職手当等の収入金額から退職所得控除額を控除した残額に2分の1を乗じる措置はありません。
- 役員等とは次に掲げる者をいいます。
- 法人税法に規定する役員
- 国会議員および地方公共団体の議会の議員
- 国家公務員および地方公務員
※令和4年1月1日以降に支払われる退職手当等のうち、特定役員等に該当せず勤続年数5年以下の場合
退職手当等の収入金額から退職所得控除額を控除した残額のうち、300万円を超える部分については2分の1を乗じる措置が廃止となります。
【税率】
市民税6%、府民税4%
特別徴収されない退職所得は申告が必要であり、他の所得と共に総合課税として計算します。