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各常任委員会 議会運営委員会 先進都市視察を実施
平成24年第3回定例会で議決した特定の事項について、先進都市視察を実施しました。
この視察は全国の先進事例を調査し、市政に反映させるために行うものです。概要についてご報告します。
事業常任委員会
☆大分県豊後高田市
「商店街活性化の取り組みについて」
豊後高田市は、商工会議所が中心となって、昭和30年代以降急速に衰退した商店街の再生に向けて取り組んだ。
各商店が昭和30年代をイメージした外観に戻し、各店に伝わる珍しいお宝の展示やその店自慢の商品販売を実施した。また、来客と直接対話し、ふれあうことによるおもてなしをするまちづくりが進められた。
加えて、拠点施設として、商店街に隣接する米蔵を「昭和ロマン蔵」に改修した。その中に、昔のおもちゃを展示する博物館や、「昭和の町」のシンボルでもある黒崎義介画伯の絵本原画を展示した美術館、国東半島の食の情報発信施設として和食レストランを整備した。
年間5万人の観光客を見込んでスタートした「昭和の町」だが、メディアに多く取り上げられたこともあり、平成23年度は、目標を大幅に上回る40万人を超える観光客が訪れている。
☆福岡県太宰府市
「観光行政について」
太宰府市では、観光客に太宰府の歴史や文化を学びながら楽しんでもらえるよう、市内に点在する多くの歴史資源を結ぶコースを設定している。特に、天満宮の参道には茶屋や食事処が立ち並び、観光拠点施設である太宰府館も隣接している。
太宰府館は、観光案内だけではなく物産販売も行っている。また、無料休憩所や体験工房があるほか、会議や講演会などに利用できるホールもあり、門前地域のまちづくり、情報発信の核となっている。
このほか、観光振興と合わせて取り組んでいるのが、大宰府ならではの自然や歴史などの地域資源を磨き上げる、太宰府ブランドの推進である。門前町の道筋に灯ろうや光のオブジェを置いて演出する「古都の光」事業は、地域住民や多くのボランティアによって実施されている。
議会運営委員会
☆三重県四日市市
「議会改革について」
四日市市議会では、平成23年5月に議会基本条例を施行し、さまざまな議会改革に取り組んでいる。その最も特徴的な取り組みが通年議会の実施である。
5月から翌年の4月までを会期とすることにより、災害などの突発的な事件や緊急の行政課題に対応できるようになる。また、会期が長くなることで委員会が活動しやすくなり、所管事務に関する調査を積極的に行っている。
そのほか、市政の課題について議員間で共通認識を持つため、政策研究会を開催している。議論が進むなかで、政策条例の制定などにつながるケースもある。
また、市民からの意見を議会運営に生かすため、市議会モニター制度を実施しているほか、議会が地域に出向き意見交換を行うためのシティミーティング、議会報告会も開催している。
☆静岡県静岡市
「議員提案による政策条例について」
静岡市議会では、議員提案による政策条例として、お茶の振興と市民の健康的な生活向上を図るため、めざせ茶どころ日本一条例を、また、地場産業の推進と地域活性化を目的にものづくり産業振興条例を制定している。
いずれの条例も、会派有志による研究会での検討に始まり、担当部局との協議、大学教授の指導を受け、素案を作成した。
その後、会派代表による検討会に引き継がれ、パブリックコメントや関係団体との意見交換を経て制定に至った。
なお、めざせ茶どころ日本一条例については、条例制定後、市長に具体的な政策提言を行い、これを受け担当部局は実施計画を策定し、その成果を議会に報告している。
文教民生常任委員会
☆東京都文京区
「図書館の指定管理者制度について」
文京区では、これまでの貸し出し中心のサービスに加え、地域における情報拠点をめざすとともに、区内にある大学との連携強化や学校図書館への支援を目的として、平成22年4月より、区内の図書館(室)11カ所のうち10カ所に指定管理者制度を導入した。
特徴としては、月1日の施設点検日以外をすべて開館日とし、開館時間も月曜日から土曜日までは夜9時まで、日曜日や祝日も夜7時までとした。また、館ごとに担当分野を設けて資料収集している。さらには倒産などによるリスクを回避するため、隣り合う図書館に競争させるために指定管理者を2者に分けた。
このほか、地域の人材を生かし講師に招いたり、図書館の構造を利用し映画会やコンサートを催している。
また、ビジネス支援コーナーの設置や、シニア向けに落語会や歴史物語の朗読を行っている。
☆千葉県鎌ヶ谷市
「スポーツを活かしたまちづくり事業、魅力づくり事業について」
鎌ヶ谷市では、市制施行20周年を機に平成3年に生涯スポーツ都市宣言をし、その一環として平成5年にスポーツ施設誘致条例を制定した。
スポーツ施設にかかる固定資産税などの補助を行うことによって、日本ハムファイターズ2軍の本拠地を誘致することに成功した。
テレビをはじめとした各メディアの宣伝効果により、鎌ヶ谷スタジアムには、年間7万人を超える客が訪れている。
また、鎌スタ祭や親子教室など数多くのイベントを開催し、球団と市民の交流も活発に行われている。
さらに、プロスポーツを活用したまちづくり検討会を立ち上げ、駅での発車メロディーをファイターズの応援歌にしたり、ファイターズの応援ポロシャツを職員が着用するなど、「ファイターズタウン鎌ヶ谷」のPRに努めている。
総務常任委員会
☆岡山県倉敷市
「ファシリティマネジメントについて」
倉敷市は、持続可能な公共施設の維持管理のため、ファシリティマネジメントを導入した。専門資格を持つ職員で構成する長期修繕計画室を設置し、3年間で750棟の公共施設の建物点検を実施している。長期修繕計画室は財政課とともに連携し、点検結果を予算に反映している。
建物点検のほか、基本的な取り組みとしては、修繕予算の総合調整、長期修繕計画の策定、ライフサイクルコスト(施設の設計から運用、撤去までの総費用)の積算である。これらを実施するためには施設の修繕履歴を把握する必要があり、設計図書などの一元管理も行っている。また、施設の現状を市民に認識してもらうため、施設白書の発行を予定している。
☆香川県さぬき市
「防災(さぬき市安全安心コミュニティシステム整備事業)について」
さぬき市では、システム登録者がパソコンや携帯電話で災害情報などを入力でき、それをメールで受信することもできる。さらにこのシステムは、ケーブルテレビ網を使った音声告知システムや、J‐Alert(全国瞬時警報システム)とも連動している。また、河川や海岸に設置しているWebカメラや潮位計、雨量計からのデータは、市のホームページに掲載している。
システム導入の効果としては、防災情報をはじめとしたさまざまな情報が一元化され、市民が情報を得やすくなったことである。
今後の課題としては、人口約5万人に対してメール登録者が4400人程度となっており、システムについての周知を強化していくことが必要である。