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【大阪府推計】南海トラフの震度・津波高・浸水域
大阪府の「南海トラフ巨大地震災害対策等検討部会」では、平成25年8月8日に、内閣府に設置された「南海トラフの巨大地震モデル検討会」から公表された推計結果を詳細に検討した大阪府における推計が公表されました。
南海トラフの巨大地震とは
- 静岡県の駿河湾から九州の日向灘に延びる海底のくぼみ「南海トラフ」の一帯を震源域とする地震で、東海・東南海・南海の各地震が発生してきましたが、国は一帯が同時に動く事態を想定したものです。
- 平成23年に発生した東北地方太平洋沖地震で得られたデータを含め、現時点の最新の科学的知見に基づき、発生しうる最大クラスの地震・津波を推計したものです。
- その発生時期を予測することは出来ませんが、その発生頻度は極めて低いものとされています。
- 今回の公表は、南海トラフにおいて次に発生する、地震・津波の想定ではありません。
地震・津波への対応は
- 素早い避難は最も有効かつ重要な津波対策です。
- 大きな揺れや、揺れが弱くても長い時間の揺れを感じたら、すぐに南海本線に向けて歩いて避難しましょう。
- 避難途中に、怪我等で避難行動が出来なくなった場合は近隣の「津波避難ビル」に逃げましょう。
- 「津波避難ビル」は、あくまで緊急の場合の一次避難場所です。「津波避難ビル」に逃げるのではなく、常に高台を目指して避難しましょう。
- 津波は大きなもので6時間は繰り返しやって来ます。津波の警報が解除するまで海岸方面への移動は避けて下さい。
- 最大クラスの津波の高さや津波到達時間が実際に避難するに当って厳しいものであるからといって、避難をはじめから諦めることは最も避けなければならないことです。
- これまで取り組んできた避難訓練などが無意味になるものではなく、条件が厳しくなったと受け止め「非常に大きな津波が起こりうるという」ことを念頭に置き、「強い揺れや、揺れが弱くても長い揺れが起きたら逃げる」と言う事を、常々一人ひとりがしっかりと認識しましょう。
これまでの経緯
平成23年8月………国において南海トラフの巨大地震モデル検討会設置
平成24年3月31日…第1次報告・震度分布(250メートル四方単位)、津波高(50メートル四方単位)の結果公表
平成24年8月29日…第2次報告・震度分布(250メートル四方単位)、津波高(10メートル四方単位)の結果公表
平成25年3月18日…「南海トラフ巨大地震対策検討ワーキンググループ」より、経済・ライフライン・交通などの第2次報告・被害想定の結果公表
平成25年5月28日…「南海トラフ巨大地震対策検討ワーキンググループ」より、具体的な地震・津波対策などをまとめた最終報告の結果公表
平成25年8月8日……「大阪府南海トラフ巨大地震災害対策等検討部会」より、大阪府の詳細な震度分布や津波浸水域の推計公表
地震動について
岸和田市の最大震度は「震度6弱」で国の公表と変わりありません。
静岡県富士川河口断層帯北端付近から九州の日向灘南西方向までを想定しうる最大の震源域とし、様々なパターンで計算をおこない、250メートル四方(メッシュ)単位で震度を推定、それぞれのケースごとに各市町村(政令市は区)の中で最大となる震度が示されました。
今回、大阪府におきましては、地盤モデルを大阪府域のボーリングデータを集約し直し、再検討を行い、マグニチュード9.0を想定した震度が示されました。
大阪府内の最大震度は下表のとおりです。
震度分布(平成25年8月8日大阪府推計と平成24年8月29日国公表結果の比較)
最大震度 |
|||
---|---|---|---|
府推計 |
国公表 |
||
大阪市 |
旭区 |
6 弱 |
6 強 |
阿倍野区 |
6 弱 |
6 弱 |
|
生野区 |
6 弱 |
6 弱 |
|
北区 |
6 弱 |
6 強 |
|
此花区 |
6 弱 |
6 弱 |
|
城東区 |
6 弱 |
6 強 |
|
住之江区 |
6 弱 |
6 弱 |
|
住吉区 |
6 弱 |
6 弱 |
|
大正区 |
6 弱 |
6 弱 |
|
中央区 |
6 弱 |
6 弱 |
|
鶴見区 |
6 弱 |
6 弱 |
|
天王寺区 |
6 弱 |
6 弱 |
|
浪速区 |
6 弱 |
6 弱 |
|
西区 |
6 弱 |
6 強 |
|
西成区 |
6 弱 |
6 弱 |
|
西淀川区 |
6 弱 |
6 強 |
|
東住吉区 |
6 弱 |
6 弱 |
|
東成区 |
6 弱 |
6 強 |
|
東淀川区 |
6 弱 |
6 強 |
|
平野区 |
6 弱 |
6 弱 |
|
福島区 |
6 弱 |
6 弱 |
|
港区 |
6 弱 |
6 弱 |
|
都島区 |
6 弱 |
6 強 |
|
淀川区 |
6 弱 |
6 弱 |
|
堺市 |
北区 |
6 弱 |
6 弱 |
堺区 |
6 弱 |
6 弱 |
|
中区 |
6 弱 |
6 弱 |
|
西区 |
6 弱 |
6 弱 |
|
東区 |
6 弱 |
6 弱 |
|
美原区 |
6 弱 |
6 弱 |
|
池田市 |
6 弱 |
6 弱 |
|
豊中市 |
6 弱 |
6 強 |
|
箕面市 |
6 弱 |
6 弱 |
|
豊能町 |
5 強 |
5 強 |
|
能勢町 |
6 弱 |
6 弱 |
|
吹田市 |
6 弱 |
6 強 |
|
茨木市 |
6 弱 |
6 強 |
|
高槻市 |
6 弱 |
6 強 |
|
摂津市 |
6 弱 |
6 強 |
|
島本町 |
6 弱 |
6 強 |
|
守口市 |
6 弱 |
6 弱 |
|
枚方市 |
6 弱 |
6 強 |
|
寝屋川市 |
6 弱 |
6 強 |
|
門真市 |
6 弱 |
6 強 |
|
交野市 |
6 弱 |
6 弱 |
|
四條畷市 |
6 弱 |
6 弱 |
|
大東市 |
6 弱 |
6 強 |
|
東大阪市 |
6 弱 |
6 強 |
|
八尾市 |
6 弱 |
6 弱 |
|
柏原市 |
6 弱 |
6 弱 |
|
羽曳野市 |
6 弱 |
6 弱 |
|
松原市 |
6 弱 |
6 弱 |
|
藤井寺市 |
6 弱 |
6 弱 |
|
富田林市 |
6 弱 |
6 弱 |
|
大阪狭山市 |
6 弱 |
6 弱 |
|
河内長野市 |
6 弱 |
6 弱 |
|
河南町 |
6 弱 |
6 弱 |
|
太子町 |
6 弱 |
6 弱 |
|
千早赤阪村 |
6 弱 |
6 弱 |
|
高石市 |
6 弱 |
6 弱 |
|
泉大津市 |
6 弱 |
6 弱 |
|
和泉市 |
6 弱 |
6 弱 |
|
忠岡町 |
6 弱 |
6 弱 |
|
岸和田市 |
6 弱 |
6 弱 |
|
貝塚市 |
6 弱 |
6 弱 |
|
熊取町 |
6 弱 |
6 弱 |
|
泉佐野市 |
6 弱 |
6 強 |
|
田尻町 |
6 弱 |
6 強 |
|
泉南市 |
6 強 |
6 強 |
|
阪南市 |
6 強 |
6 強 |
|
岬町 |
6 強 |
6 強 |
津波について
岸和田市の最大津波水位は4.4メートル、1メートルの津波の最短到達時間は93分と推計されています。
津波高については、地震を引き起こす震源断層面の滑り(津波断層モデル、マグニチュード9.1)方により、11のケースで推計されています。
岸和田市の場合は、紀伊半島沖から四国沖の「大すべり域+超大すべり域」において津波が発生した場合が、最も津波の高さが大きくなると想定されます。
最大の津波が発生した場合の岸和田市における津波の最大水位は4.4メートルで1メートルの津波の地震発生後の最短到達時間は93分と推計されています。
大阪府内の最大津波水位、1メートルの津波の最短到達時間、津波浸水域は下表のとおりです
最大津波水位 注1) (T.P.+メートル) |
最短到達時間 注2) (分) |
浸水面積 注3) (ヘクタール) |
|||||
---|---|---|---|---|---|---|---|
府推計 |
国公表 |
府推計 |
国公表 |
府推計 |
国公表 |
||
大阪市 |
都島区 |
- |
- |
- |
- |
101 |
* |
福島区 |
- |
- |
- |
- |
379 |
* |
|
此花区 |
4.1 |
4 |
113 |
113 |
816 |
30 |
|
西区 |
- |
- |
- |
- |
426 |
* |
|
港区 |
4.5 |
4 |
114 |
121 |
620 |
20 |
|
大正区 |
4.6 |
4 |
117 |
122 |
665 |
* |
|
浪速区 |
- |
- |
- |
- |
193 |
* |
|
西淀川区 |
4.3 |
4 |
116 |
120 |
840 |
20 |
|
旭区 |
- |
- |
- |
- |
21 |
0 |
|
城東区 |
- |
- |
- |
- |
259 |
* |
|
西成区 |
- |
- |
- |
- |
499 |
40 |
|
淀川区 |
- |
- |
- |
- |
756 |
90 |
|
住之江区 |
5.1 |
5 |
110 |
110 |
1,174 |
50 |
|
北区 |
- |
- |
- |
- |
322 |
* |
|
中央区 |
- |
- |
- |
- |
21 |
* |
|
住吉区 |
- |
- |
- |
- |
13 |
0 |
|
鶴見区 |
- |
- |
- |
- |
41 |
0 |
|
堺市 |
堺区 |
4.2 |
5 |
110 |
114 |
774 |
540 |
西区 |
4.9 |
5 |
101 |
106 |
928 |
580 |
|
豊中市 |
- |
- |
- |
- |
1 |
20 |
|
吹田市 |
- |
- |
- |
- |
0 |
* |
|
高石市 |
4.8 |
5 |
102 |
105 |
716 |
450 |
|
泉大津市 |
4.4 |
5 |
95 |
98 |
521 |
440 |
|
和泉市 |
- |
- |
- |
- |
2 |
0 |
|
忠岡町 |
4.3 |
4 |
94 |
98 |
97 |
60 |
|
岸和田市 |
4.4 |
5 |
93 |
95 |
398 |
360 |
|
貝塚市 |
3.7 |
4 |
88 |
90 |
124 |
80 |
|
泉佐野市 |
3.8 |
4 |
81 |
84 |
111 |
70 |
|
田尻町 |
3.3 |
4 |
80 |
83 |
28 |
20 |
|
泉南市 |
3.2 |
4 |
75 |
77 |
110 |
50 |
|
阪南市 |
3.6 |
4 |
68 |
72 |
47 |
20 |
|
岬町 |
3.8 |
4 |
54 |
59 |
69 |
70 |
注1) 最大津波水位は、海岸線から沖合約30メートル地点における津波の水位を標高で表示。小数点以下第二位を切上げ。内閣府公表資料は、最大津波高(満潮位の時の標高、地殻変動考慮)。
注2) 最短到達時間は、+1メートルの津波が襲来する時間。
注3) 浸水面積は、河川等部分を除いた陸域部の浸水深1センチメートル以上。小数点以下第一位を四捨五入。内閣府公表は府域で浸水面積が最大となる、紀伊半島沖から四国沖の「大すべり域+超大すべり域」において発生した場合。*印は10ヘクタール未満の浸水を表す。
南海トラフの巨大地震モデル検討会による津波の伝搬状況のシミュレーション画像
浸水深・浸水域について
岸和田市の津波による地域ごとの浸水深は、下の地図のとおりです。
想定条件:四国沖に「大すべり域+超大すべり域」を設定
岸和田市域
大芝地区
春木地区
朝暘・大宮地区1
朝暘・大宮地区2
中央・浜地区
浜地区
被害を軽減する方策として
- 建物の耐震化、家具等の転倒防止対策の実施
- 津波に対して、全員が発災後すぐに南海本線を目指して避難し、覚知が遅れた場合や避難が困難とばった場合には既存の津波避難ビルを活用
- 急傾斜地崩壊危険箇所の整備
- 電熱器具からの出火を防止する感電ブレーカ等の設置、初期消火率の向上
- ブロック塀、自動販売機の転倒防止及び落下物対策の実施
以上の対策を推進することにより、80パーセント以上の被害が低減されます。
国・府の公表内容
国の公表内容は、内閣府のホームページをご覧ください。
大阪府の発表内容は、大阪府のホームページをご覧下さい。