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平成20年度指定管理者監査の結果
第1 監査の対象
指定管理者 財団法人 岸和田市文化財団(以下「文化財団」という。)
施設名 岸和田市立浪切ホール(以下「浪切ホール」という。)
岸和田市営旧港地区立体駐車場(以下「立体駐車場」という。)
所管部課 企画調整部文化国際課(浪切ホール)
産業部港湾振興室(立体駐車場)
第2 監査の対象年度
平成19年度分(平成19年4月1月から平成20年3月31日まで)。ただし、必要に応じて他年度分を含む。
第3 監査の実施期間
平成21年1月29日から平成21年3月2日まで
第4 監査の着眼点
- 指定管理者の指定の手続、管理及び運営に関する協定の締結は適正に行われているか。
- 公の施設の運営、維持管理は設置条例及び基本協定に基づき適切に執行されているか。
- 利用料金の設定は適切か。
- 管理に係る収支会計経理は適切になされているか。
- 関係諸帳簿は適切に整備されているか。
第5 監査の方法
指定管理者及び所管部課の関係帳簿、書類の抽出調査、実査及び監査調書に基づく質問等により行った。
第6 指定管理者の概要
1 設立
平成12年5月19日に設立された公益法人である。
2 設立目的
市民の文化活動の振興を図り、個性豊かな地域文化の創造に寄与することを目的としている。
3 役員数及び職員数(平成21年1月30日現在)
理事 11名 監事 2名 職員 28名
第7 指定管理の状況
施設の名称 |
浪切ホール |
立体駐車場 |
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所在地 |
岸和田市港緑町1番1号 |
岸和田市港緑町2番 |
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設置目的 |
市民文化の創造を図り、交流の促進に資するため |
旧港地区における自動車利用者の利便増進を図り、もって地域経済の振興に資するため |
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指定期間 |
平成18年4月1日~平成23年3月31日 |
平成19年4月1日~平成23年3月31日 |
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業務の範囲 |
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施設の利用状況 |
利用者数 平成19年度 484,340人 平成18年度 421,092人 |
利用台数 平成19年度 54,386台 |
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収支の状況 (注) |
収入 |
事業活動収入 688,480,786円 主な収入 事業収入 380,742,107円 (うち利用料金 122,186,278円) 補助金等収入 306,285,000円 (うち指定管理料 197,957,000円) (うち補助金 105,954,000円) |
事業活動収入 3,538,720円 主な収入 補助金等収入 2,773,980円 (指定管理料) |
支出 |
事業活動支出 676,032,900円 主な支出 施設管理運営費支出 389,874,219円 事業費支出 277,658,681円 |
事業活動支出 2,862,488円 施設管理運営費支出 2,862,488円 |
(注)文化財団の平成19年度収支計算書の浪切ホール特別会計及び駐車場特別会計より
第8 監査の結果
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1 浪切ホール及び立体駐車場(以下「両施設」という。)の指定管理者の指定手続並びに管理及び運営に関する協定の締結については、岸和田市公の施設の指定管理者の指定の手続等に関する条例(平成17年条例第28号。以下「手続条例」という。)等に基づき、おおむね適正に処理されているものと認められた。
2 両施設の維持管理及び運営については、設置条例及び基本協定書に基づき、おおむね適切に実施されているものと認められたが、次の各事項について、改善または留意すべき点が認められたので適正化を図られたい。
(1) 手続条例では、毎年度終了後30日以内に事業報告書を提出しなければならないこととしているが、浪切ホールの指定管理に係る平成19年度事業報告書が平成20年5月31日に提出されていた。
(2) 浪切ホールの旧工房等の利用に関して、指定管理者の業務の範囲である明確な位置付けがないまま文化財団が団体等に利用させている。
(3) 管理物品のうち市から指定期間中に無償で貸与された備品等(1種)で、すでに使用できなくなった物品についての返納手続等が定められていない。
3 利用料金の設定については、両施設の設置条例に基づき、条例に掲げる額の範囲内において、指定管理者があらかじめ市長の承認を得て定め、市長による利用料金の額の告示も行われており、おおむね適正に処理されているものと認められたが、次の事項について改善すべき点が認められたので適正化を図られたい。
浪切ホールの駐車場の利用料金の額について、市長の承認を得ていない。
4 管理に係る収支会計経理については、浪切ホール特別会計及び駐車場特別会計が設けられており、おおむね適切に処理されていると認められたが、次の事項について改善すべき点が認められたので適正化を図られたい。
両施設の設置条例及び基本協定書では、利用料金は指定管理者の収入として収受することとしているが、両施設の駐車場に係る利用料金は、文化財団の収入として経理処理されていない。また、誘導業務委託料については、浪切ホール特別会計にのみ計上されている。
5 関係諸帳簿については、おおむね適切に整備されていた。
6 文化財団は、指定管理者として利用者サービス向上のため、施設の改善等を積極的に行う一方、自主事業として実施する各種文化事業の充実や友の会々員数の増加を図り、浪切ホールが出会いと交流の場として地域の活性化に寄与するよう管理運営に努力しており、平成19年度の利用者は前年度に比べ約63,000人増加し過去最高となっている。今後とも、指定管理者制度導入の目的である市民サ-ビスの向上と行政コストの縮減等を達成するため、指定管理者の主体性や創意工夫を活かすことはもとより、基本協定書の内容について相互に確認し合い、両施設の設置目的に沿った管理運営が行われるよう努力されたい。