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本市は、アドベンチャーワールドと2020年に「SDGsパートナーシップ協定」を締結し、パンダが食べる竹を活用する「パンダバンブープロジェクト」を進めてきました。昨年からは「パンダバンブーESD環境教育」の一環で、山(放置竹林)から海(海藻の減少)までの課題解決や資源循環について市内の小学生と一緒に取り組み、学習しています。7月3日には、修斉小学校6年生の児童が、帰国したアドベンチャーワールドのパンダが最後に食べ残した竹の枝葉でアオリイカの産卵床を作り、岸和田漁港沖に沈めました。
産卵床作りの様子

(アドベンチャーワールド提供)
果たして竹の枝葉にアオリイカの卵は着いていたのか…!? 11月13日(木曜日)、自然資料館を訪れ、開館30周年記念特別展の見学も兼ね、柏尾学芸員から結果報告を聞きました。
柏尾学芸員は、8月5日に産卵床を沈めた海に潜り、産卵床を調査しました。児童たちは、その時の映像を見ながら、説明を熱心に聞いていました。
子どもたちが作った産卵床には、エビの仲間のワレカラやヒドロ虫、ゴカイ、牡蠣の赤ちゃん、ウミウシやウミウシの卵などいろいろな生き物がくっついていて、初めて聞く名前の生き物に児童たちは興味津々。竹の枝の部分にはイソギンチャクの姿も。
ワレカラ
ゴカイ
牡蠣の赤ちゃん
イソギンチャク
しかし、残念ながら、アオリイカの卵は見つかりませんでした。児童たちは残念そうではありましたが、柏尾学芸員から「でも、みんなが作って沈めてくれた竹の枝葉は、海にすむ生き物たちにとって重要な住処になっていると言えます。今回調査できたのは21個沈めたうちの3個だけなので、もしかしたら残りの18個に卵があった可能性はゼロではありません。頑張って続けていったらアオリイカが卵を産んでくれる可能性があることが今回の調査で見えてきたので、みんなの後輩たちにこの取り組みを伝えていって欲しいと思います」と説明を聞くと、岸和田の海にすむ生き物にとって良いことができたことを喜んでいる様子でした。
児童たちは、アオリイカ産卵床の結果報告だけでなく、イカはどんな生き物なのか、イカとタコの違い、大阪湾に住む生き物についてなどの話を聞くこともでき、また自然資料館の全フロアを見学し、充実した時間を過ごしました。
初めて自然資料館に来たという児童が多く、とても楽しそうに見学していました
今回のアオリイカ産卵床作りの経験は、修斉小学校6年生の児童たちにとって、本市が抱える課題や資源循環について知る良い機会になったことでしょう。