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岸和田城天守は昭和29年に再建され、今年で再建70周年を迎えます。文化財として重要であるとともに、市民に愛される存在ですが、岸和田城は今、耐震面などで危機に瀕しています。
今号では、まちのシンボルを守り、後世に残すためのリニューアルオープンに向けた取り組みなどを紹介します。
問合せ 観光課 電話:072-423-9486 ファクス:072-423-2384
岸和田城天守閣耐震対策基本計画はこちら
豊臣秀吉の叔父である、小出秀政が天守を築く
落雷により焼失
再建し図書館として利用
歴史的資料を展示
正保城絵図 和泉国岸和田城図
正保元年(1644)に作成された城絵図。
五層の天守が描かれています。
建設中の天守
天守内の図書館(昭和41年)
天守焼失後、昭和初期に千亀利公園が整備されると天守再建の声が上がりました。しかし、資金調達が難航したため、内部を図書館として利用することで国からの支援を受けることができ、天守再建が実現しました。
現在は「お城まつり」やライトアップなどを行い、春は桜、秋はだんじりと地域特有の素晴らしい景色を楽しむことができ、一年を通じて市民に縁のある場所となっています。これからも市民に親しまれ、長く存在し続けることが望まれます。
展示スペースには、府指定有形文化財である平安時代後期に作られたと伝わる「阿弥陀如来坐像」(写真(1))や岡部家藩主が着用した甲冑「紫糸威伊予札四枚胴具足」(写真(2))などを展示しています。また、天守からの眺望を意識し、作庭家・重森三玲が設計した「岸和田城庭園(八陣の庭)」(写真(3))は、その芸術性などが評価され、国の名勝に指定されています。
令和元年に天守閣耐震診断を実施したところ、「震度6強以上の大地震発生時、倒壊または崩落の危険が高い」という結果になりました。近い将来、発生が予想される南海トラフ巨大地震などに備えるため、耐震補強が必要です。また、天守内は階段や段差が多く、全ての来場者が安心・安全に利用できる観光施設となっていないため、バリアフリー化を進める必要もあります。
天守には岸和田城庭園(八陣の庭)を上から眺望するという重要な機能があります。その機能を維持し、今後も市の発展に寄与する施設として後世に残していくため、今年1月に「岸和田城天守閣 耐震対策基本計画」を策定しました。今後は計画に基づき、リニューアルを進めます。
天守内に鉄筋コンクリートの補強壁を設置するなどし、耐震性能を高めます。
エレベーターや階段昇降機、スロープを設置し、車いす利用者なども安心・安全に見学できるようにします。
耐震補強とバリアフリー化に伴う展示スペース縮小のため、実物資料展示は多聞櫓・隅櫓と二の丸広場観光交流センターで実施します。
市や岸和田城、八陣の庭、観光、文化などに関するパネル展示や映像放映を実施予定です。
岸和田城リニューアルのため、クラウドファンディングとふるさと寄附を今年度から実施予定です。
まちのシンボルを守るため、ご協力をお願いします。
期間中の土・日曜日は午後8時半まで夜間開場し、岸和田城庭園(八陣の庭)をイルミネーションで彩ります。また、恒例の青海波体験や野点・邦楽演奏、ステージイベント、物産展とキッチンカーなどのイベントも開催します。
お城まつりの詳細はこちら(終了しました)
大阪・関西万博を見据えたイベントを、二の丸広場(岸城町)で開催します。
イベント |
日程 |
内容 |
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竹のワークショップ |
4月13日(土曜日) |
笛づくり、ミニランタンづくり、筆づくり |
ステージイベント(雨天中止) |
4月13日(土曜日)・14日(日曜日) |
「お城博士ちゃん」こと栗原響大さん(14日(日曜日)のみ)やミャクミャク、ちきりくんが出演予定 |
ポン菓子の実演・販売 |
4月13日(土曜日)・14日(日曜日) |
岸和田で収穫したお米を使用。200円で販売 |
こども縁日 |
4月14日(日曜日) |
子ども向けの簡単なゲームなど |
今年の春夏秋冬それぞれの時季に、再建70周年を記念したイベントを開催予定です。詳しくは市ホームページなどで随時お知らせします。