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広報きしわだ 令和7年(2025年)2月号3面

更新日:2025年1月31日掲載 印刷ページ表示

特集
岸和田市国民健康保険に加入している40~74歳の皆さんへ
はじめよう!特定健診

 偏った食生活や睡眠・運動不足、喫煙、飲酒、ストレスなどが原因で発症する高血圧症や糖尿病、脂質異常症(高脂血症)、心疾患、脳血管疾患などの「生活習慣病」は、自覚症状がないまま進行します。「自分は大丈夫、来年受診すればいい」という過信は命取りです。
 年に一度は必ず、病気の早期発見に役立つ「特定健診」を受けましょう。該当者には受診券を送付しています。
問合せ 健康保険課保健担当電話:072-447-4328 ファクス:072-423-4644(代表)

データヘルス計画で国保加入者の健康増進を図る

 市では、岸和田市国民健康保険加入者の医療費の適正化や疾病の重症化予防などを目的に、診療報酬明細書及び特定健診などのデータを分析し、保健事業を効果的・効率的に実施するための「データヘルス計画」を策定し、計画に基づいた保健事業を推進することで、国保加入者の健康を支援しています。
 昨年策定した「第3期保健事業実施計画(データヘルス計画)兼第4期特定健康診査等実施計画」に基づくデータ分析の結果、様々な課題が見えてきました。

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データヘルス計画はこちら

低い「特定健診」受診率

 岸和田市民の死因は、がん、心疾患、脳血管疾患の3大生活習慣病が9割を占めており、がんに続き心疾患が高い割合となっています。

死因の割合のグラフ

死因の割合(令和4年度)
がん 48.1%
心疾患 33.3%
脳血管疾患 8.6%
その他 10%
​(国保データベース〈KDB〉システムより)

 それにも関わらず、本市の特定健診受診率は約30%と、府内市町村の中でも下位に位置しています。年代別の受診率では70代が最も高く、若くなるにつれて低くなり、特に40~50代は低い状況が続いています。

危険な「高血圧症」

 本市の特徴として、高血圧症の人が多いことが挙げられます。
 高血圧症は、脳梗塞や脳出血など脳血管疾患の最大の原因です。また、高血圧が長く続くと心臓に負担をかけ、心疾患の原因にもなります。
 高血圧症の大半は無症状であり、血圧は測る時間帯や体調などにより測定ごとに値が異なります。そのため、普段から家庭で測定し、自身の血圧値を把握しておくことが重要です。

医療費を抑えるために

 令和5年度の本市国民健康保険加入者の医療費は、入院・外来合わせて142億4094万円かかっています。特に入院医療費の割合が府の平均よりも高くなっています。
 病気が重症化してから治療を行うと、入院・手術などで多額の医療費がかかります。前述の脳血管疾患などは発症時の急性期のみならず、リハビリなどによる慢性期総医療費、また退院後の介護費など、患者本人や家族に、長期にわたって大きな経済的負担を強いる疾患です。
 生活習慣病を発症する前に特定健診を受診し、バランスの良い食生活、適度な運動を心掛けることで医療費を抑えることができます。

「特定健診」でわかる様々な病気の兆候

 「特定健診」は生活習慣病の予防・早期発見に役立ち、検査結果に紐づいて、様々な病気の早期発見につながります。
 治療中の病気とは別の病気が見つかる可能性もありますので、通院中の人も「特定健診」を受けましょう。

様々な病気の早期発見につながる特定健診
こんなにわかる!病気の兆候

病気の兆候イラスト

血中脂質
【病気の兆候】

  • 脂質異常症
  • 甲状腺機能低下症
  • 動脈硬化
  • 脂肪肝

肝機能
【病気の兆候】

  • アルコール性肝臓病
  • 閉塞性黄疸
  • 胆石症
  • 肝炎
  • 脂肪肝
  • 心筋梗塞
  • 多発性筋炎
  • 肝硬変
  • 肝がん

血圧
【病気の兆候】

  • 高血圧症
  • 動脈硬化

血糖
【病気の兆候】

  • 糖尿病
  • 慢性膵炎
  • 糖尿病性腎症

腎機能
【病気の兆候】

  • 糸球体腎炎
  • 糖尿病性腎症
  • ネフローゼ症候群

しかも0円 所要時間 約1時間

※特定健診は、特定健診取り扱い医療機関(個別健診)と保健センター(集団健診)で受けられます。​

検査項目

身長、体重、腹囲、血圧測定、尿検査(尿糖・尿たんぱく)、血液検査(脂質、血糖、肝機能)など

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特定健診について詳しくはこちら

「自分は健康だ」と思っている人こそ受診を!

 ある日突然、心筋梗塞や脳梗塞で病院に運ばれ、病院で「血圧が高いですね」「コレステロール値が高いですね」という話になる。心筋梗塞、脳梗塞といった命に関わる病気は、悪い生活習慣が積み重なった結果、発症します。当然、そうならないようにしないといけません。
 自分が健康と思っていても実は健康じゃない場合があります。病気を抱えているのと症状があるのとは違います。症状があり「しんどい」となると誰でも病院に行きますが、症状がなければ病院に行きません。そんな時に病気はどんどん進行していき、症状が出てきた時にはすでに重症化してしまっている。そういうことにならないために「自分は健康だ」と思っている人こそ、少しでも早く「特定健診」を受けてほしいんです。
 検査項目が少ないように感じるかもしれませんが、結果に紐づけられて様々な病気がわかってきます。家族で声を掛け合って、必ず年に一度「特定健診」を受け、自分の健康状態を把握しましょう。

浦田先生の写真
岸和田市医師会 浦田 尚巳 会長