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町会・自治会 まちづくりのヒント

更新日:2025年9月1日掲載 印刷ページ表示

 町会・自治会では、担い手不足や、役員の負担増加など、様々な課題があります。

 そのような中、それぞれの地域では、さまざまな工夫をしていただいていることと思います。

 町会・自治会運営の助けになればと思い、皆さんにより身近に感じていただけるよう、岸和田市内の各町会・自治会で取り組んでおられる事例を集め、ご紹介していきます。

 随時、事例を追加していきますので今後の町会・自治会活動での取り組みの参考にしていただければ幸いです。

町会・自治会運営の主な課題

 令和6年度に実施した町会長・自治会長へのアンケートから主なものとして以下のような課題がみえてきました。

 この課題は岸和田市だけのものではなく、全国的に同じような課題に直面しています。

  1. 担い手不足
  2. 役員の負担が大きい
  3. 町会活動がデジタル化されていない
  4. 町会活動を活性化したい
  5. その他

1.担い手不足対策

(1)得意分野を町会活動に活かしてもらう

 地域の中には様々な特技や職業経験を持ちながら、活動に踏み出すことができず、地域に埋もれたままになっている人材が多く存在します。町会活動において、担い手不足が課題となっていますが、そうした方々に声をかけ、得意分野を町会活動に活かしてもらうのはどうでしょう。また、都合の良いときに町会活動に協力してもらうこともよいかもしれません。

 これまで町会活動に関わりのなかった方に、いきなり役員等をお願いするのはハードルが高いですが、特技を活かして無理のない範囲で手伝ってもらえるような気軽な関わり方から、町会活動を理解してもらうことで、これまで地域に縁がなかった方が、地域デビューするきっかけになるかもしれません。

(2)小学生・中学生の力を活かす

 町会のイベントの準備や片付けは、町会の役員だけで、やりくりしようとしていませんか。例えば、きれいなまちをつくるためのごみ拾いなどを、小学生や中学生にも担ってもらってはどうでしょう。大きな力となるとともに、地域と子どもたちのつながりもできるのではないでしょうか。

2.役員の負担軽減

(1)活動の見直しをする

 町会に加入しない理由、脱退の理由として、役員や班長等の役割を担うことの負担感があるという声をよく聞きます。

 定年延長や共働き世帯の増加など、働き方が変化しているなか、町会運営の方法も見直す時期にきています。

 会議や行事の回数、開催の時間帯、開催方法を見直すことや、いまある町会組織内の部会を統廃合するなど、時代に合わせたやり方に変更してはどうでしょう。

(2)業務のマニュアル化(引継ぎ書類の整備)

 どのような業務があるのか分からないと不安になったり負担になったりします。どの時期に何をするのか、どのような手続きが必要であるのかなど、役員の業務のマニュアルがあると、年間の予定が見えて段取りがしやすくなります。

 また、総会の案内や各種申請書をデータで残しておくと、毎年の手間を省くことができます。

(3)負担を分担する

 役員だけで、さまざまな意思決定をしなければならないのは、しんどいですよね。町会活動は、役員だけでできるものではありません。  

 いま、役員で担っていることを、役員以外の町会員のみなさんに分担できないでしょうか。町会の活動内容や、お金の使い方を町会員のみなさんにオープンにし、活動の計画段階から、多くの町会員で議論しあい、関わってもらうことも、役員の負担軽減につながるのではないでしょうか。

3.町会活動のデジタル化

(1)コンビニ決済サービスを利用する

 町会費は集金担当者が戸別に集金をしていることが多いと思いますが、現代はライフスタイルも人それぞれのため、留守のときは出直す必要があり、集金を負担に感じておられる町会様も多いのではないでしょうか。

 コンビニ決済サービスを導入する方法もあります。24時間365日いつでもコンビニ支払いができますし、多額のお金を集金担当者が預かることもなくなります。さらに、コンビニに出向かなくてもスマートフォンで支払える方法もあり、自宅や職場でも手軽に支払うことができるようです。

https://www.rl-shukin.jp/case_study/membership/

(2)情報共有にLINEを活用する

 町内の行事の出欠確認が大変、配布物を全世帯に回すのに時間がかかる、若い世代にも町内会に参加して欲しい、こんなお悩みはありませんか?

 紙による回覧は行わず、会員への情報伝達や連絡等にLINEを使う方法もあります。

 ICTの活用は、役員の負担軽減やコスト削減だけでなく若い世代を取り込むのにも非常に有効です。

 一方で、「住民間の絆を絶やさぬよう従来通り対面でやることに意味がある」という意見もあります。

 また、使いこなすことのできない住民への対応も検討する必要があるなど、まだまだ課題があります。町会活動のICT化はメリットだけでなくデメリットも存在し、町会の状況によってもその判断が異なります。初めからICT化を前提にするのではなく、住民の意向なども踏まえ、これまでのやり方と併用しながら、できるところから取り組んでいくことがポイントです。

 町会運営アプリ「結ネット」というシステムを導入している町会もあります。

4.活動の活性化

(1)他団体と連携し、より良いまちづくりを

 近年、防災・防犯や環境美化等、地域における課題が多様化し増大する中で、より安全に安心して生活できるまちづくりに向けた町会運営等、地域コミュニティ活動の重要性が再認識されています。一方で加入世帯数の減少や役員の高齢化、担い手不足等の喫緊の課題を抱える中、今後は様々な主体と協働して地域づくりを行うことが町会に求められます。

 福祉、環境、子育て等さまざまな分野で活動している市民活動団体があります。専門的な知識やノウハウを有する市民活動団体との協働により地域の課題解決に取り組めるかもしれません。市民活動団体等との連携については、岸和田市市民活動サポートセンター(岸和田市野田町1-5-5  opsol福祉総合センター2階  TEL:072-438-2367)へご相談ください。

(2)犯罪に遭わない地域づくりのために

 犯罪は、監視者の目がないところで発生しやすいと言われています。「樹木の剪定をして見通しが良い」「ご近所づきあいが活発」「ごみの集積所の管理が行き届いている」ことが地域を犯罪から守るポイントになります。

 地域での防犯活動を長く続けるには、できる人が、できる事を、できる時に、することが大切です。散歩しながら、おしゃべりをしながらなど「ながら見守り」で「監視者の目」を増やし、安心・安全なまちをみなさんでつくっていきましょう。

5.その他

(1)思い込みを意識して

 町会活動において、「会長は男性」、「反省会の準備は女性」などと、性別によって役割を決めていませんか?

 性別でものを考えてしまう意識が、実は私たちの中に意外に染みついています。性別で役割を固定して、個人の人柄や能力などが正しく判断されずに、見逃されてしまうこともあり、それは町会にとっても非常にもったいないことです。

 持続可能な町会にしていくには、まずは、「私たちにはこういった意識がある」ということに気づいて行動することが最初の一歩になるかもしれません。「いままで、こうしてきたから、こうすべき」というのも、もしかしたら、思い込みかも?と立ち止まってみてはどうでしょうか。