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地方分権が進展し、地方議会の果たすべき役割や責務は重要性を増してきました。
岸和田市議会では、議会の活性化を図るとともに、市民への説明責任を果たし、開かれた議会をめざそうと議会改革を進めてきました。
このほど議会と議員のあり方を明文化した議会基本条例の素案がまとまりました。
地方分権の進展により、自治権が拡大するなか、自治体は自己決定と自己責任のもと、市民福祉の向上のため、より責任ある自治体運営を行わなければなりません。
地方議会は、市民の視点に立ち、行政をけん制・監視するとともに、市民の声を行政に反映させたり、地域に必要な政策を議論し、条例として提案するなど政策立案能力が求められています。
また、市民本位の行政運営が行われているかどうかを論じる市議会は、市民にとって分かりやすく、開かれた議会であることも求められています。
こうした背景のなか、議会の権能や、議会及び議員の責務、分かりやすい議会であることなどを明文化したものが、議会基本条例です。
平成17年8月に施行された「岸和田市自治基本条例」で、議会、行政、市民及び事業者のそれぞれの役割が明記されました。
議会の役割を明文化するため、20年12月に議会基本条例検討委員会を設置し、検討を開始しました。
委員会では、まず、議会基本条例の検討に先立ち、議員の政治倫理のより一層の向上を図るため、政治倫理に関する責務や倫理基準などを定めた「岸和田市議会議員政治倫理条例」を21年第3回定例会で提案し、制定しました。
その後、議会基本条例の制定に向け、本格的な検討を始めました。22年6月までに28回の検討委員会を開催し、内容の検討を進めてきました。
また、全議員からも意見を聴取し、今回、素案が完成しました。(下段に前文と骨子を掲載、ホームページに全文を掲載)
より多くの市民の皆さんに、この条例を周知するため、7月31日から各市民センターなど市内6カ所で市民説明会を開催しています。
条例制定の目的や内容について説明を行い、皆さんからのご意見をお聞きします。(詳細は広報きしわだ7月1日号またはホームページに掲載)
今後は、10月中旬からパブリックコメントを実施し、そこでお寄せ頂いた意見も反映させながら、条例の最終案をとりまとめ、23年第1回定例会に上程し、同年5月の施行を予定しています。
※ 条例制定の趣旨や目的を表明するものです。
岸和田市議会(以下「議会」という。)は、市長とともに市民の信託を受け、対等な関係を持って相互に健全な緊張関係を保持しながら、市民福祉の増進と市政の発展を図る責務を負うという地方議会の理念のもと、これまで議会の持つ監視及び評価機能の充実と政策形成能力の向上に努めてきた。
また岸和田市は、市民・事業者・市の権利や責務、行政・議会の責務、市政運営の基本原則を定め、市民自治都市の実現を目指して、岸和田市の最高規範として「岸和田市自治基本条例」を制定した。
議会は、「岸和田市自治基本条例」が求める議会の役割を明確にするとともに、市民との情報共有と開かれた議会運営を図り、市民の負託に全力でこたえていくことを決意し、ここに「岸和田市議会基本条例」を制定する。
※ 全文は次号で掲載の予定です。
前文
第1章 総則
第2章 議会及び議員の活動原則
第3章 市民と議会の関係
第4章 議会と行政の関係
第5章 自由討議の保障
第6章 委員会の活動
第7章 政務調査費
第8章 議会及び議会事務局の体制整備
第9章 議員の政治倫理、身分及び待遇
第10章 最高規範性と条例の見直し