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神於山の地勢と地質

更新日:2024年11月13日掲載 印刷ページ表示

独立峰で多くのため池に囲まれている山

 神於山は、南を旧国道170号、東を牛滝川、西は津田川によって囲まれ、独立した山塊を呈しており、標高は296.4メートルの高さがあります。神於山の周辺は、気候的に天水が不足し、農作物の主要な生産地一帯は水の浸食が強い大阪層群の上にあることから水不足をきたすことが多いところでした。そのため、灌漑対策が必要不可欠であり、谷の下方をせき止めて水を貯める方法で谷の出口に多くのため池が人工的につくられました。このため、大小のため池が周辺にひろがっています。

花崗岩でできた山

 日本列島がまだ深い海の中にあった時代に、領家花崗岩という下部にあった地層の上に和泉層群やニ上層群が堆積しました。その幾層にも重なった地層が、60~200万年前に断層(中央構造線)をともなって隆起し、和泉山脈が形づくられました。その和泉山脈の低地部(海側)の堆積層が、長年にわたって風雨などにより削り落とされ、浸食に強い基層の領家花崗岩が顔を出しているのが現在の神於山であるといえます。

領家花崗岩って

 神於山を形づくっている岩石は、領家花崗岩と総称されるものです。「領家」の名は、天竜川中流の長野県領家村から出た名称で、この岩石の分布しているところは地質的には領家帯と呼ばれています。中央構造線ができた頃、花崗岩が古生層に貫入し、まわりの岩石に変成作用を起こすなどして変成岩になったものです。

神於山標高図
「岸和田の土と草と人」著者:小垣廣次より