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里山とは、人々が生活の中で利用することにより育まれ、維持されてきた身近な自然の一つで、様々な生き物の生息場所でもあります。
近年、生活様式の変化、担い手の減少などの理由から、里山の十分な維持管理が行われず、荒廃が進んでいますが、2050年カーボンニュートラルに向けて里山保全の必要性が一層高まっています。
岸和田市では里山である神於山(こうのやま)を中心に、ボランティアによる森づくり活動によって里山機能の回復と保全が行われています。このような活動を継続していくため、里山で活動するボランティアを育成する講座が「里山ボランティア育成講座」です。
育成入門講座では、山歩き、自然観察、鎌やノコギリの使い方、山の材料を使ったクラフト等を通して、里山の楽しさと大切さを知り、森づくり活動の基礎知識や管理技術を習得できます。
令和6年度は育成入門講座を全6回(毎月1回)開催いたします。
※令和6年度 里山ボランティア育成入門講座の受講申込受付は終了しました。
最終回である第6回は比較的穏やかな天候の中で行われました。
講師から過去各回の振り返りと総まとめが語られ、里山を守っていくことの意義だけでなく、活動に従事するためには家族と家庭を大切にすること、人も自然の中の一部であることなどが説かれ、受講生は熱心に聞き入っていました。講師からのまとめの後、規定以上の出席をされた受講生には修了証書が授与されました。
その後は記念植樹、昼食を兼ねた交流会として竹ご飯を炊き、花炭の製作を行いました。竹ご飯はほのかに竹の香りがして残さず美味しくいただきました。
受講生からは、講座を受けて山の見方・楽しみ方が分かったなど、喜びの声をいただき、一部には活動団体に加入したいと希望される方もいらっしゃいました。
岸和田市里山ボランティア育成入門講座は毎年開催しています。
ご興味のある方は次回ご参加ください。
第5回は冷え込みが厳しく時折小雨がパラつく中で行われました。
午前中は講師から樹木の間伐を行う意味、ノコギリなどの道具の取扱方法、安全確保のための諸注意などについて講義を受け、早速、実技に入りました。
2人がかりで行う大鋸での伐採、蔓が絡みついていたり、思った方向に木が倒れないなど、難しさや危険が伴う作業だったものの、講師陣の協力を得て無事に2本の大きな杉の木を伐採し、枝打ち、運搬までを行うことができました。
午後からは老朽化した丸木橋の付け替え作業を行いました。講座生が協力しあって付けた橋はこの先何年も入山者が利用することから、深い愛着が湧きました。
また、斜面に倒れたままになっている倒木の処理も行い、本格的な里山整備の実体験を得ることができました。
第4回は曇り空が多いものの、すっかり秋っぽくなった日に行われました。
午前は竹とノコギリの扱いと竹の生態、活用方法、伐採方法などについて講義受けてから竹刈りを実践しました。
20m近い竹を5組に分かれて切り出しました。
午後は切り出した竹を使ってみんなでハンモック作り。寝そべると意外に快適で木漏れ陽が気持ち良い。
さらにその後は竹クラフト。釘を一切使わず、思い思いの大きさや形の竹で花瓶を作りました。講師が竹炭を提供してくれたので、花瓶のつもりがおしゃれな竹炭の消臭剤入れになった方が多かったようです。
第3回は晴天で少し涼しく気持ち良い中で行われました。
午前は講師から指導を受けてから草刈り体験。ノコガマを使ってみんなで斜面の草をきれいに刈り取りました。作業中に珍しいカヤネズミの巣が見つかりました。
昼食前には竹スライダーを体験。
午後は弥生時代の銅鐸から現在にまで続く神於山の歴史について説明を受けてから、神於山の歴史に触れる散策。かつて畑や畠だった場所、竹刈りの後に植林して蘇った谷、石谷川の水源、大クスノキなどを周回。山頂展望台から絶景を見ながら、織田信長、村上水軍、根来衆などが戦った場所や大阪湾を眺め、布引山、国見台など神於山の名所も見て回りました。
雨が降ったり止んだりする中、第2回の講座が行われました。
午前中はサンプルを見ながら危険な動植物に関する知識と、事故やケガを防止する安全管理についてエピソードを交えた講義を受けました。
午後の前半は栗拾い。スタッフ含む20人ほどがたった15分でバケツ4杯もの栗を拾いました。
後半は散策しながら、国蝶のオオムラサキやタマムシを養う大きなエノキの樹、紫色が美しいクズの花、霧吹きの水を得て開くスナゴケの様子などを見学。ササやネズミモチの葉で笛を鳴らしたり、クスノキの葉の香りを嗅いだり、植物に関する様々な体験をしました。
第1回の午前中はユニークな講師陣から「里山」や「ボランティア」についての講義を受けました。
午後からは神於山の一部を山歩きして、普段見ることの少ない植物・昆虫・生物を観察するとともに、先人たちが苦労しつつも楽しみながら管理してきた経緯を学びました。