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2040年には、65歳以上の高齢者のうち、およそ3人に1人が認知症またはその前段階の軽度認知障害(MCI)になると予想されています(厚生労働省研究班推計)。
決して他人事ではない認知症。本市では、認知症の当事者はもちろん、認知症の人を支える家族をも地域で支えるまちづくりをめざし、様々な事業に取り組んでいます。
問合せ 福祉政策課地域福祉推進担当電話:072-423-9467ファクス:072-423-8686
記憶がなくなったり、物事がわからなくなったり、人格が変わったり…。そんな症状を聞けば、確かに「認知症」は怖いと感じてしまう病気かもしれません。しかし、先日開催した「認知症の人を支える家族のつどい」で講師を務めた久米田病院の梅木先生によると、20代から物忘れは始まっているそうです。誰にでも起こる「物忘れ」。それが認知症の初期症状なのかどうかは誰にもわかりません。
認知症は誰にでも起こり得る病気です。予防策はなにか、自分自身や家族が認知症になったらどう動けばよいかなど、一人ひとりが認知症を理解し、心構えをもつ必要があります。
令和6年1月、「共生社会の実現を推進するための認知症基本法」が施行されました。これまでの認知症の人を支えるという考え方から「認知症の人も含めた誰もが尊厳のある個人であり、地域で共に支え合って生きる」という共生社会の実現をめざしています。認知症になったら何もできなくなるのではなく、認知症になっても、仲間とつながりながら自分らしく希望を持って暮らすことができるという新しい認知症観が広がっています。

「認知症ケアパス」とは、認知症の人の症状や接し方、症状の進行に合わせ、いつ、どこで、どのような医療・介護サービスを受けられるかを示したものです。相談機関や活用できるサービスなどをわかりやすくまとめています。ぜひご活用ください。
3月30日に開催した岸和田市認知症ケア(KDC)報告会で、若年性認知症をテーマとした映画「オレンジ・ランプ」のモデルとなった若年性認知症当事者の丹野智文さんをお招きし、当事者目線・家族目線の「認知症」について講演していただきました。
丹野智文さん
Q 39歳で「若年性アルツハイマー型認知症」と診断された時の気持ちは?
A 当時はいい情報が何もなくて、インターネットを見れば「10年で亡くなる」「2年で寝たきりになる」そんな情報ばかり。その時は、それを信じ込んで「認知症=終わり」だと思っていました。
Q その気持ちが変わったきっかけは?
A 診断されて1年ほど経った時に、認知症当事者との出会いがあったんです。笑顔で元気で優しくて…その人は診断されて6年経っていたんです。「あれ、情報は間違っているんじゃないか。この人のように生きてみたい」と思ったことが、私が前向きになれたきっかけでした。
Q 日常生活で困らないためにしている工夫は?
A 携帯電話をフル活用しています。起きる時間、出掛ける時間、バスに乗る時間、講演の時間…全部アラームを使っています。ホテルでは必ず入り口の写真を撮って、部屋番号を忘れても大丈夫なようにしています。道に迷ったときはテレビ電話を使います。
Q 周囲のサポートでありがたいことは?
A 普通に接してくれることが一番ありがたいことで、何か困ったら「助けて」と言える関係性の人がたくさんいれば困らないんですよね。認知症と診断されても、実は次の日から何も変わりません。何が変わるのかというと、周りの人が変わるんです。認知症と診断されても、今までと同じ生活を続けることが大切です。周りの人は心配し過ぎて、本人の「失敗する権利」を奪わないで欲しいと思います。
1974年生まれ。自動車販売会社でトップセールスマンとして活躍中の2013年に若年性アルツハイマー型認知症と診断を受ける。現在は認知症への社会的理解を広める活動を行っている。2015年、認知症当事者の相談窓口「おれんじドア」を開設。
講演会「認知症と受診の基礎を学ぶ」
認知症の人や支えている人たちがお互いに語り合い、思いを分かち合う場です。講演会なども開催します。
認知症の人とその家族、地域住民が気軽に集える場として、認知症カフェの委託事業を行っています。

市役所新規採用職員も受講
受講者には、認知症サポーターの証としてオレンジリングをお渡しします。
認知症支援に取り組む事業所、地域の方々などからの実践報告と最前線の情報を共有します。

娘である「私」の視点から認知症の患者を抱えた家族の内側を描いたドキュメンタリー映画を上映します。
対象 市内在住・在勤者
日時 1月21日(水曜日)午後1時半~4時
場所 岸和田製鋼マドカホール(荒木町1丁目)
定員 300人(申込先着順)
申込・問合せ 12月1日(月曜日)から電話またはQRコードで福祉政策課へ電話:072-423-9467