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広報きしわだ 令和7年(2025年)6月号8-9面

更新日:2025年5月30日掲載 印刷ページ表示

​​特集 きしわだ自然資料館が30歳になりました!
​これからも、みなさんとともに

おかげさまで開館30周年の文字と0の中から顔を出すシロクマの剥製

 1995年の開館から延べ50万人以上が訪れた「きしわだ自然資料館」が、6月1日に開館30周年を迎えました。開館以来めざすのは「みんなで育て、みんなで楽しむミュージアム」。これからも市民のみなさんとの交流を大切に、何度来てもおもしろい、新しい発見があるミュージアムであり続けるための努力、挑戦を重ねていきます。
 ぜひ30歳になったきしわだ自然資料館へ遊びに来てください。記念イベントをたくさんご用意して(10面参照)、みなさんの来館をお待ちしています。
問合せ 自然資料館電話:072-423-8100 ファクス:072-423-8101

自然資料館の外観写真
​建物は、昭和初期に建築された旧寺田銀行の外観をモチーフにしたもの

30年のあゆみ

 1990年ごろ、蕎原文吉氏から岸和田市に剥製の寄贈について打診があったことがきっかけで展示施設が必要となり、きしわだ自然資料館は誕生しました。それから30年、さまざまな分野の調査・研究、展示、講座の開催に努めてきました。

1990年ごろ(平成2年) 蕎原文吉氏より、岸和田市に剥製の寄贈についての打診
1994年(平成6年)12月 流木町でキシワダワニ化石発見
1995年(平成7年)6月 きしわだ自然資料館開館
1995年(平成7年)9月 はじめての室内講座開催。講師は初代館長・千地万造氏
1999年(平成11年)4月 キシワダワニコーナー新設
2002年(平成14年)6月 きしわだ自然友の会発足
​2004年(平成16年)4月 小・中学生の入場料が無料に
​​2004年(平成16年)5月 「チリメンモンスター」誕生
2011年(平成23年)12月 モササウルスコーナー・ミニ実習コーナーなど新設
​2021年(令和3年)4月 「チリメンモンスター」が中学校の理科の教科書に取り上げられる

小さくてもキラリと光る博物館へ
きしわだ自然資料館開館30周年にあたって

 「小さくてもキラリと光る博物館、親しみのある博物館、地域にとって存在感のある博物館を私たちはめざしている」。
 これは、初代館長・千地万造氏の言葉です。館長1人、学芸員3人ですが、皆様のご支援のもと、アドバイザーや専門員、きしわだ自然友の会評議員等々、多くの方々に助けられて目標達成に努めてきました。特に、チリメンモンスター事業は大きな支持を受け続けており、その名は全国に知れ渡るようになっています。「こんな事業をもっと増やして、光り続けなくては」と考えています。
 「親しみのある博物館になれているだろうか? 地域にとって存在感は十分だろうか?」日々反省しながら、めざす博物館像に向けて努力を続けます。皆様の変わらぬご支援をお願いいたします。

岡本素治館長の写真
館長 岡本 素治

愛されて30年。みんなで育て、楽しむミュージアム

 きしわだ自然資料館は、いろいろな人が来てくれ、いろいろな人が関わってくれて、ともに育ってきました。みんなで一緒に考えて、みんなで活動して、そしてみんなで楽しむ! それが、きしわだ自然資料館ならではの大きな魅力です。

大人も楽しめる博物館!
いろんなところで自然資料館の良さを伝えていきたい

 岸和田の昔話をする人形劇サークル「おじかくらぶ」で脚本音響を担当しています。演出上欠かせない効果音、例えば鳥の鳴き声などを調べたりするのに、きしわだ自然資料館にはお世話になっています。数年前、自然資料館で人形劇をした時に「地域の自然と歴史について、子どもだけじゃなく大人も楽しめる内容なので、広く発信してほしい」と話をいただいたのをきっかけに、自然資料館発行の冊子へ寄稿したり、研究発表会のメランジェゼミで自身の研究成果を発表したりしています。
 今、朝鮮通信使の研究をしているのですが、文献に捕鯨について書かれていたので自然資料館に相談したところ、太地町立くじらの博物館を紹介してくれました。
 自然資料館の学芸員さんやアドバイザーの知識・ネットワークは本当に素晴らしくて、質問も一つ聞くと十以上の答えが返ってきます(笑)。たくさん資料を見せてくれて、知っていることは惜しげもなく教えてくれます。
 自然資料館は見て楽しいだけではなく、大人の疑問にも答えてくれる、岸和田の自然や歴史を愛する人たちの交流の場でもあるんです。

人形劇の人形おじかくんを持って笑顔の杉山さん
杉山 優子さん

私が体験したことを、息子にも体験させてあげたい。
これからも、大好きな自然資料館に親子で通います!

 初めてきしわだ自然資料館の行事に参加したのは、小学3年生の時でした。虫が大好きで、登山しながらの昆虫採集や海の生き物探検、バードウォッチング、植物採集などいろいろなイベントに参加させていただきました。
 山歩きでは、先生のすぐ後ろについて、草花、虫などの生き物、鳥の声…見えるもの聞こえるもの、たくさんのことを先生方から教わりました。知らない世界を教えてもらい、毎回新しい発見ばかりで、終始ワクワクしながら参加していたことを今でも覚えています。
 とにかく自然資料館と先生方が大好きで、当時の日記には「自然資料館の人になりたい」との一文も(笑)。自然資料館と先生方のおかげで、さらに生き物に興味を持ち、好きになることができました。生き物の奥深さを知り、生き物だけではなくどんなことも、その背景にはいろんな世界があるんだなと思えるようになり、ものの見方が変わり、探究心が芽生えたように思います。
 息子は虫も魚も好きなので、一緒に山歩きや海の生き物探検に参加するのが今から楽しみです!

息子さんを抱っこする実緒さん
​長年の自然資料館ファン、実緒さんと息子さん(4歳)

小学生時代の自由研究の作品3冊
​小学生時代の自由研究

水槽のタコを見る実緒さんと息子さん
​息子さんはカエルやタコに夢中

何度来てもおもしろい!! きしわだ自然資料館の魅力

 1階には、水槽コーナーや企画展・講演会・講座などの会場になる多目的ホール、ミュージアムショップがあり、2階では、岸和田市を中心とした大阪南部・泉州地域の自然を、たくさんの実物標本や模型、ジオラマなどで紹介しています。3階には、当館ができるきっかけになった野生動物の剥製の展示のほか、図書コーナーもあります。

魅力1 化石標本展示コーナー(2階)

 まず目を引くのが、大迫力のナウマンゾウ全身骨格レプリカ。1969年に北海道中川郡幕別町で発見された化石をもとに復元されたもので、頭の骨などを除いたほぼ一頭分の骨がそろって発見されており、オスのナウマンゾウの全身骨格化石としては、日本で一番よくそろっているといわれています。
 また、恐竜時代の海の王者として知られるモササウルスの実物化石や復元骨格レプリカも来館者の人気を呼んでいます。

ナウマンゾウの全身骨格レプリカ
ナウマンゾウ

モササウルス復元骨格レプリカ
モササウルス

魅力2 剥製展示コーナー(3階)

 ライオン、トラ、クマ、キリン、シマウマ、オオカミ、シカ、鳥類…、その数200点以上!
 牙をむき出した猛獣たちの表情は迫力満点で、今にも唸り声が聞こえてきそうです。

ライオンの剥製

キリンの剥製

「2階では、1994年に流木町で発見されたキシワダワニの化石(レプリカ)も展示しています!」
男性学芸員の写真
​平田学芸員

魅力3 水槽展示コーナー(1階)

 市民による魚の持ち込みなどがきっかけで水槽を置きはじめ、1999年に淡水魚展を開催。そこから本格的な水槽コーナーができました。
 今では魚だけでなく、二ホンヒキガエルやナガレヒキガエル、マホロバサンショウウオ、アカハライモリ、そして人気沸騰中のウミウシを展示しています。黄色の体と愛くるしい表情のコンゴウフグは自然資料館の人気者です。

イトマキヒトデ
イトマキヒトデ(裏側)

マホロバサンショウウオ
マホロバサンショウウオ

コンゴウフグ
コンゴウフグ

アカハライモリ
アカハライモリ

二ホンヒキガエル
二ホンヒキガエル

シマシマ柄の魚
​オヤビッチャ

アオウミウシ

キイロウミウシ
クリヤイロウミウシ
ウミウシ
カラフルなウミウシたち

「ウミウシの常設展示はとても珍しいので、ぜひ見に来てください!」
男性学芸員の写真
柏尾学芸員

魅力4 体験型講座

 日曜日・祝日を中心に、さまざまな室内・野外講座を開催しています。なかでも、当館生まれの「チリメンモンスター実習」の人気は全国に広がっており、市外のみならず府外から来られる方もたくさんいます。
 チリメンモンスター実習は、ちりめんじゃこに混じるさまざまな生き物(チリメンモンスター)を探し出すことで、海の生き物の多様性や環境、食生活など身近な海や暮らしに関する学びを提供する体験型学習プログラムです。

チリメンモンスターの写真
チリメンモンスター

「チリメンモンスター実習の魅力は、なんといっても「探す」「より分ける」という誰もがワクワクする作業に没頭できる点にあります。子どもから大人まで大人気の実習です。」
女性学芸員の写真
風間学芸員

体験者の声

貝塚市から参加しました。
1時間あっという間で、とても楽しかったです。エビを見つけて嬉しかったです。
また参加したいです!

自分がみつけたチリメンモンスターを貼ったカードを持つ小学生の姉弟
​ゆきちゃん(小学4年生)、ゆうとくん(小学2年生)姉弟

親子でチリメンモンスター探しをしている様子
実習の様子