本文
日本のEV(電気自動車)普及率は欧米や中国に比べてかなり低い水準にあり、心理面、性能面、経済面の課題を解消する必要があります。
中古車市場にEVが流通し始める時期が到来していますが、リユースEVの価値は国内でまだまだ認知されておらず、海外に流出しています。
岸和田市とSMAS(住友三井オートサービス株式会社)は、令和6年2月15日に「ゼロカーボンシティの実現に関する公民連携協定」を締結して以降、3台のリユースEV(中古電気自動車)を岸和田市の公用車として運用しながら、様々な実証実験を行ってきました。
令和7年9月29日、一定の成果が得られたことから佐野岸和田市長に対してSMAS(代表取締役社長・麻生浩司)よりリユースEV運用実証の成果報告を行いました。
リユースEV公用車を運行した市職員を対象に行ったアンケート調査では、加速性、安定性、制動性、静粛性等、EVの走行性能はいずれも高い評価を得ました。
課題点は、クレジットカード払いの手段を持たない自治体事情から、遠方へ運行した際の給電手段の不安に集中しました。
EVの乗車経験がない者から「パワーがない」、「静か過ぎて気持ち悪い」などのネガティブな印象が聞かれました。根拠のない風評にならないよう、まずはEVを体験してみることの重要性が感じられます。
バッテリーの劣化状況を継続的に測定したところ、車種による違いは見られるものの劣化はわずかな進行であり、初年度登録から7~8年経過したリユースEVでもまだまだ使い続けることができると分かりました。
公用車は運行が日中に集中し、走行距離が比較的短い傾向にあります。
いくらか劣化が進んだリユースEVであっても公用車としての利用価値が高いことが分かりました。
ガソリン車でいう「ガス欠」をEV車の場合は「電欠」と呼びます。
ガソリン車では燃料計の針が0を指していてもまだしばらく走れることが知られていますが、EVではどうなるのかあまり知られておらず、突然の電欠に対する不安感は大きな課題です。
実際に電欠が起こるまでリユースEVを走行させてみたところ、はじめの警告表示から15km以上を走行しました。(走行距離は、車種や走行のしかたによって変動します。)
警告表示があってから給電ステーションに向かう余力があることが判明しました。
詳しくは実証実験の様子を動画でご覧ください。
[岸和田市公式ウェブサイト] EV(電気自動車)を電欠するまで走らせてみた(三菱MiniCab MiEV編)
[岸和田市公式ウェブサイト] EV(電気自動車)を電欠するまで走らせてみた(日産LEAF編)
[YouTube] EV(電気自動車)を電欠するまで走らせてみた(三菱MiniCab MiEV編)
[YouTube] EV(電気自動車)を電欠するまで走らせてみた(日産LEAF編)
岸和田市とSMASはEVをひとつの資源として捉え、リユースEVについて研究している他の企業、自治体、団体との連携協力も視野に置きながら、引き続きEVによるサーキュラーエコノミーとカーボンニュートラルを目指します。